用語集

スペースデブリ:Space Debris

スペースデブリとは宇宙空間に漂う不要な人工物の総称です.大きなものでは運用終了や故障により機能停止した宇宙機,ペイロードを軌道へ投入した後のロケット上段機体があります.他にも宇宙機のミッションに伴い発生する部品,宇宙飛行士が作業中に無くした工具,宇宙機の爆発や衝突により生じた金属片,さらには宇宙線の影響等で剥離した宇宙機の塗料などもあり,スペースデブリの種類は様々です.

能動的スペースデブリ除去:Active Debris Removal (ADR)

能動的デブリ除去(Active Debris Removal: ADR)とは,デブリ除去システムを搭載した宇宙機(若しくはロケット上段機体)が対象となるデブリに対して軌道上で能動的に接近・捕獲し除去システムを取り付け,デブリを脱軌道させることによって軌道環境を改善させる方法です.ADRは現在,各国の宇宙機関や民間企業で研究開発が進められています.欧州では欧州宇宙機関(European Space Agency: ESA)とAirbus Defence and Spaceが共同でe.orbitというADR宇宙機を開発しています.e.orbitはESAが有する大型の人工衛星Envisatをターゲットとして軌道上で接近し,ロボットアーム若しくはネットで捕獲し共に大気圏へ突入し除去するシステムで,2021年から2年間でミッションを行う予定です. 日本では宇宙航空研究開発機構(Japan Aerospace Exploration Agency: JAXA)が1機で1つのデブリを除去する小型衛星型デブリ除去機と,1機で複数個のデブリを除去する複数デブリ除去機の開発を進めています.これらは2018年以降の運用を想定しており,そのための実証実験などが着実に行われています.
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JAXAによる小型衛星型デブリ除去機

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ESAとAirbus Defence and Spaceによるe.orbit

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ライトカーブ:Light Curve

天体の明るさを定量的に測定する「測光観測」を継続的に行うことで得られる,天体の明るさの時間変化のことを「ライトカーブ」と言います.地上で観測される光が明滅する主な原因は「太陽入射条件」「太陽光照射面の光散乱特性」「観測対象物体の観測地点方向に対する投影面積」が変化することです.例えば,左図のように回転する宇宙機を地上から観測した時,右図のようなライトカーブのグラフを得ることができます.
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回転する宇宙機

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ライトカーブを取得(イメージ)

観測対象物体の形状,表面の光散乱特性,位置,姿勢が決まれば,ある時刻に観測できる光の強度が決まります.従って,観測対象物体の形状,表面の光散乱特性,軌道運動,姿勢運動のモデルがあれば,逆にある時刻に観測された光の強度から観測対象物体の姿勢運動等を推定することが可能です.この手法を「ライトカーブインバージョン」と言います.このようなライトカーブを利用した姿勢運動などの推定手法は,小惑星研究の分野では長年にわたって広く用いられている.現在は,地球を周回する人工物にもこの手法を適用することで,姿勢運動を把握することが提案されています.

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